【過去問解説(企業経営理論)】R4 第3問 環境分析と戦略

今日は、企業経営理論のR4 第3問について解説します。

 企業経営理論 R4 第3問

組織内外の環境を分析するための枠組み(フレームワーク)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 「PEST フレームワーク」では、企業を取り巻く外部環境を、政治、経済、社会、技術の観点から分析する。
イ 「VRIO フレームワーク」によると、経営資源について、経済的価値が認められるか、希少性が高いか、模倣が困難であるか、その経営資源を活用できる組織能力があるか、という条件のうち、1 つでも満たされていれば持続的競争優位に資
する経営資源と判断される。
ウ 「戦略分析の3 C」はマーケティング環境を分析するための枠組みであり、資本、顧客、競合に着眼して分析を行う。
エ M.ポーターが提示した「価値連鎖(Value Chain)」は、価値がどの機能で生み出されるかを可視化する分析枠組みであり、購入物流、製造、出荷物流、サービスなどの主要活動と、技術開発、人事・労務管理、調達活動、販売・マーケティングなどの支援活動から構成される。
オ M.ポーターによる「5 つの競争要因(Five Forces)」は、当該業界の成長性を決定する諸要因である。

 

解説

環境分析と戦略に関する問題です。

PESTフレームワーク、VRIOフレームワーク、戦略分析の3C、価値連鎖、5つの競争要因については、まとめシートで以下の通り解説しています。

 

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:その通りです。PESTフレームワークでは以下4つの観点から外部環境を分析します。
・Politics(政治的環境)
・Economy(経済的環境)
・Society(社会的環境)
・Technology(技術的環境)
よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。「経済価値」「希少性」だけでは一時的な競争優位の源泉に留まり、持続的な競争優位性の獲得には「模倣困難性」も必要になります。「経済価値」「希少性」「模倣困難性」のうち1つでは持続的な競争優位性は得られないため、「1 つでも満たされていれば」という点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。戦略分析の3Cでは「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の3つの観点で内部/外部環境分析を行います。
「マーケティング環境を分析するための枠組み」という点は正しいですが、「資本」が含まれている点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。価値連鎖(Value Chain)は「購買物流」「製造」「出荷物流」「マーケティング・販売」「サービス」から成る主活動と、「全般管理」「人事・労務管理」「技術開発」「調達活動」から成る支援活動に分かれています。
「価値がどの機能で生み出されるかを可視化する分析枠組み」という点は正しいですが、「マーケティング・販売」が支援活動に分類されている点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。「5 つの競争要因(Five Forces)」は企業を取り巻く競争環境を分析するためのものです。
「当該業界の成長性を決定する」という点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

 

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